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『即興詩人』はアンデルセンがイタリア旅行で訪れた体験をもとにまとめ上げた自伝的小説で1835年に発表されました。 須賀敦子さんがローマに留学したとき、最初に父親からとどいた小包は、岩波文庫の森鴎外訳『即興詩人』でした。 須賀敦子『遠い朝の本たち』「父ゆずり」からです。 <「この中に出ている場所にはみんな行ってください」という。ほとんど電報のような命令がページにはさんであった。> そこにはイタリア各地の自然と風俗が美しく描かれています。 私も訪ねてみるとすごい人だかり。 ところで安野光雅さんの『繪本即興詩人』は格好の『即興詩人』入門書。 トレヴィの泉が、挿絵入りで紹介されています。 『繪本即興詩人』からです。 <パンテオンの近く、角を曲がるとトレヴィの噴水に出る。トレヴィの泉の石像の「重き石衣を風に吹かせて」という言い方は、この像にいかにもぴったりしていて、本当に石が風になびくのではないかと思わせられる。> 実際にはこのような感じです。 森鴎外訳『即興詩人』では、次のように詳しく描写されています。 <こゝに古き殿づくりあり。意(こゝろ)なく投げ疊(かさ)ねたらむやうに見ゆる、礎(いしずゑ)の間より、水流れ落ちて、月は恰(あたか)も好し棟の上にぞ照りわたれる。河伯(うみのかみ)の像は、重き石衣(いしごろも)を風に吹かせて、大なる瀧を見おろしたり。瀧のほとりには、喇叭(らつぱ)吹くトリイトンの神二人海馬を馭したり。その下には、豐に水を湛(たゝ)へたる大水盤あり。> 河伯とはポセイドンのことです。 トレヴィの泉は1762年に完成していますが、現在もそのままの姿が保たれているのが、よくわかります。 『繪本即興詩人』に戻りましょう。 <この泉のそばで、アントニオは見知らぬ男の子が詩を唱えるのを聞き、また画工フェデリゴにもぱったり出会う。彼に「そなたも即興の詩を作れ。そなたは固(もと)より詩人なり」と言われ、アントニオは心にひらめくものを感じる。 「まことに詩人とは、見るもの、聞くものにつけて、おもしろく歌ふ人にぞありける。」> ここから、アントニオは興味を覚え、 <以来「我世は夢の世、空想の世となり」、街にあって車のとどろくのを聞いても、家にあって臥床の中にあっても、「ただ詩をおもふより外あらざりを」ということになってしまった。> と、少年アントニオは目にするもの、耳に聞くものを言葉にのせ、即興詩を始めることになりました。
by seitar0
| 2025-10-05 15:35
| 須賀敦子
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