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パンテオンは紀元前25年に建設された神殿が起源です。古代ローマ初代皇帝のアウグストゥスの女婿アグリッパにより建設されましたが、のちに火事で焼失してしまい、紀元後2世紀(120年頃)にローマ五賢帝の1人ハドリアヌス帝により再建されたものです。 パリに留学していた須賀敦子さんは1954年の春、友人とパンテオンを訪れます。 ![]() パンテオンは7世紀にキリスト教会に転用され、外観からは教会らしさを感じませんが、内部に入ると十字架や聖母子像が設置されています。 ![]() 須賀敦子『時のかけらたち』「リヴィアの夢―パンテオン」からです。 <入口を過ぎると、私たちのまえには、すっきりと洗練された円形のホールの、とりどりの色大理石を組み合わせて敷きつめた床がひろがっていた。「すっきり」と見えたのは、空間の数学的な完璧さだったに違いない。このホールが天井の高さと床の直径がどちらも43.4メートルという球体に沿って造られていることなど、私は想像もしなかった。> ![]() 円形のホールに入ると天井を指さして見ています。 <やがて、まるく迫りあがりながら想像もつかない高みに視線がみちびかれるにつれて、青みがかった灰色の石の壁面を内部から支えて押し上げるちからづよい空間の存在に気づいたとき、第一の驚きに私は捉えられた。それは私が経験したことのない、計算された「内部」の感覚といえるものであった。 だが、予期しなかったもうひとつの驚きが、第一のそれにつづいた。驚きの原因は、壁面に沿って視線を這いのぼらせて行った頂点で私を待ちかまえていた。そこには、視線そのものが上昇するにあたっての論理も、半球形の穹窿がごく自然に求める最頂部に到達したよろこびをも、根底から無視するような美しい円形の「穴」ー開口部ーが天に向かって開いていた。> ![]() 天井を見上げると、円形の開口部があるのです。小さいように見えて、直径は9メートルです。 雨の日はどうするのかと思ってしまいますが、現在はこのような雨受けになっています。 ![]() 以前は、床のままで、その床は中央に向かって僅かに窪んでおり、真ん中には排水用の穴が開いていたそうです。 <やがて私をイタリアにとどまらせ、この国で長い時間をすごすようになったことと、パンテオンのあいだになんらかの因果関係があるとすれば、あの天井に開けられた、まるい穴を見たことが内在するのを否定できないように私は思う。> ![]() パンテオンの外観です。 その後、須賀敦子さんは、最初に受けた驚愕を確かめようとして、数えきれないほど何度もパンテオンを訪ねています。ローマにさえ行けば緊張と開放を同時に味わうことができ、東京の日常がいやされると述べられていました。
by seitar0
| 2025-09-23 15:16
| 須賀敦子
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