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遠藤周作の体験を背景に書かれた小説『私のもの』の主人公は他の小説でも度々登場する勝呂、子供時代のあだ名はカラス。 遠藤は昭和38年から42年まで町田市玉川学園に住んでいましたが、当時の風景が次のように描かれています。 <窓のむこう、雨に閉じこめられた風景に眼をやりながら彼は首をかしげた。まだ出来たばかりの住宅地。東京から四十分もかかる丘陵を整地した場所で、赤土のむきだした場所に建売りの小住宅が散らばり、栗や漆などの雑木林が残っている。> 今や住宅がぎっしり並んでします。 この時代に『沈黙』も書かれています。 小説には三浦朱門をモデルとした三田という作家も登場します。 <「俺、来月、洗礼を受けようと思って」そう言って三田は下着をぬいで医者の前にたった青年のように、顔をあからめ、ジュースの残ったコップに眼を落した。三田も勝呂もそれぞれ四十歳に手の届く小説家だった。> 実際に遠藤は、昭和38年40歳のとき、三浦朱門の受洗に際して代父となっています。 小説では三田の細君は既に昔から信者だったとも書かれており、これは曽野綾子さんがモデルのようです。 勝呂は子供時代、色が黒く、首を前に突きだして変な声をだしてしゃべるのでカラスと呼ばれていました。大連で父母が離婚し、カラス兄妹は神戸の叔父のところに戻ります。 <丸窓のむこう、風の吹く黒い海をみながらカラスは大連に残した父のことと黒い満州犬のことを考えた。母と父とが決定的に別れたと言うことは誰にきかされなくてもカラスにははっきりわかっている。> 彼等は、六甲に住む母の姉の嫁ぎ先に厄介になります。 <いつまでもこの家に厄介になるわけにはいかなかった。叔母は友だちや知人に伝手をもとめて母の就職口をみつけようとしていた。母がこの際、できる技能といえばピアノだけだった。> 事実は、母郁はヴァイオリ二ストであり、小林聖心女子学院で音楽の教師をし、その年に夙川の借家に移っています。 小説ではカラス(勝呂)は六甲時代にカトリック夙川教会で受洗します。 <二人は叔母と一緒に黙って先に歩く叔父のうしろに従った。阪急の電車に乗せられ夙川という駅で降りる。カトリックの教会は神戸以外はここにしかないのだった。初めて見るミサは彼には退屈で屈辱的なものだった。まわりの人々は突然たちあがったり跪いたりする。カラスは叔母の命令で、児童の席に腰掛けさせられたのだが、小猿のように自分より年下の子供たちのまねをしなければならなかった。> <洗礼の日はまもなくやってきた。花輪を頭にかざり白い服をきせられた女の子や水兵服をきた男の子と一緒に彼は聖堂の、一番前の席にたたされる。洗礼の式の前に形式的な制約があるのだ。「あなたは、唯一の主を信じますか」老神父は前日、学芸会の舞台稽古でもするように子供たちに教えておいた問答を信者たちの前でくりかえす。 「信じます」と妹は大きな声でいった。「あなたは」老神父は老眼鏡の下からカラスの方をむきながら「唯一の主を信じますか」「信じます」と彼は答えた> 実際にカトリック夙川教会で洗礼を受けたときから、遠藤の苦しみが始まります。 <私の信仰生活で私をくるしめたことのひとつは今、申し上げたような日本人としての感覚と基督教との矛盾ということでした。>(「私と基督教」) そして、くるしみの原因であるヨーロッパのキリスト教世界の思想風土と、日本のそれとの対立が遠藤の文学の主題となったのです。
by seitar0
| 2024-01-30 09:26
| 遠藤周作
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