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宇野千代が夙川にあったホテル・パインクレストを舞台にした、ある意味不気味な短編小説を書いているのをみつけました。 昭和5年に尾﨑士郎と別れたばかりの宇野千代は、ひと月前に心中未遂事件を起こした東郷青児と出会い、その日のうちに同棲を始めました。二人はその翌年、東京世田谷の借地に「コルビジェ風」の洋館を建てて新しい生活を始めています。 このコルビジェ風の家を建てる資金を工面するため、関西で青児の展覧会を開催し、展示即売会を開き、青児の絵を売るため宇野千代は何度も関西に来ています。 その頃のことでしょう、夙川にあったホテル・パインクレストに東郷青児が宿泊していたという記録があり、宇野千代も昭和7年にパインクレストで『踏切のある風景』という短編を書いています。 ![]() ところで宇野千代『踏切のある風景』は、東郷青児と宇野千代の関係を知ると意味深長な小説です。宇野千代と同棲する直前、東郷青児は愛人の西崎盈子と心中未遂事件を起こしたのですが、このとき青児には戸籍上の妻・明代と長男・志馬がいて、事件を起こす一カ月半前には中村修子という女性と結婚披露宴をしたばかりでした。このような複雑な女性関係の末に起きた心中未遂事件は当時世間を賑わし、この事件の後、盈子は病院に3か月間隔離されています。 短編『踏切のある風景』の最後には「―ホテル・パインクレストにて、1932.6.」と、パインクレストで書かれたことが明記されており、そのホテルでの出来事が書かれているのです。冒頭は次のように始まります。 <夏の朝。或る避暑地のホテルの簡素な部屋の中。女優の篠原しのぶは、パジャマのままベッドに腰をかけて煙草を吹かしている。二十八歳くらい。美しい眼と長い脚とを持った女。> パインクレストは避暑地のホテルではありませんが、モデルになっているのは間違いありません。宇野千代はこの時、既に35歳でしたが、女優の篠原しのぶのモデルのようです。 <こつこつとはじめ弱く、それから強くドアを叩く音がする。「どなた?」返事の代りに一人の背の高い若い男が入ってくる。白い縞の背広を着て、手に帽子を持っている。> この若い男のモデルが東郷青児のようです。そして篠原しのぶの妹が若い男の妻なのですが、しのぶと若い男は不倫関係にあります。 <「パパ!」窓のそとで子供の呼ぶ声がする。しのぶは殆ど反射的にその窓の方へ近づいてカアテンの隙間から外を見る。雨上がりの白い道に、五つくらいの男の子が立って窓の方を見上げている。> この子供のモデルは、東郷青児と妻の明代の間に生まれた志馬がモデルになっています。宇野千代は東郷青児と同棲を始めた時、当時7歳だった志馬を引き取って暮らしており、明代が訪ねてきたこともあったそうです。 「白い道」というのはパインクレストの周りの舗装されていない花崗岩質の白い道で、黒い土を見慣れていた関東の作家には印象的だったようです。 <子供は急いで歩く。白い道の上に一つは長い、一つは短い影が列んで歩いていく。> 現在はすっかり舗装されてしまって白い道はありません。 この道が白い道でした。 次回もこの小説から紹介します。
by seitar0
| 2023-11-09 11:53
| 夙川
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