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玉岡かおるは『春いちばん』で、のちに賀川豊彦の妻となるハルが神戸に引っ越してきて間もない明治37年16歳の時に、川崎造船所の初代社長・松方幸次郎に出会う場面を描いています。 もちろんフィクションだと思いますが、国立西洋美術館に収蔵されている松方コレクションでも有名な松方幸次郎は明治29年に川崎造船所の初代社長となり、念願の乾ドックを明治35年に完成させ、神戸の山本通に邸宅を構えていましたから、時代的にも、場所的にも二人の邂逅があっても不思議ではないのです。 中山手通に家族と住み、福音印刷会社の女子工員をしていたハルが妹の忘れ物を届けに学校へ向かっていたとき、川崎造船所で働く少年コージと出合い頭にぶつかってしまいかす。どうやら彼は仕事に行くのに遅刻ぎりぎりで走っていたようです。 <その時だった。背後の坂の上から、カツカツカツと、規則正しい音を高らかに刻みながら、何かが近づいてくる。だんだん音が大きくなる。振り向いたハルは驚いた。それは二頭立ての立派な馬車だ。> 松方幸次郎の邸宅は、当時山本通にあった神戸女学院の東隣にありました。 昭和7年の地図で、黄線で囲んだ所に神戸女学院と松方邸がありました。その下の路面電車が走っている通りが中山手通です。 拡大図です。 松方幸次郎はこの屋敷から神戸港の川崎造船所まで馬車で通っていましたが、その様子は原田マハ『美しき愚かものたちのタブロー』でも、次のように描かれています。 <まもなく二頭立ての馬車が現れる。ガラガラと車輪を勢いよく鳴らして、馬車が山本通りを西へと向かって走り去るのを、何かありがたいもんでも見たように、居合わせた通行人たちは見送っていた。幌をたたんだ座席にいるのは、松方幸次郎である。ウールのコートに山高帽、口ひげに葉巻が定番のスタイルである。きりりと冷たい風を受けながら紫煙をくゆらせるのもまた、毎朝のことだった。> その様子は相当人目を引いたことでしょう。 『春いちばん』に戻りましょう。 <黒塗りの馬車は二頭の馬を仕立て、悠々と近づいてくる。緑のモールの服を着た御者がハルとコージを避けようと、ゆっくり手綱を操った。その瞬間、窓が開き、中の人物が肘ごと外へ乗り出した。「ほうれ、おまえら、こんな時間に何しとる。急がんと始業のサイレンが鳴るぞ」豪快な声だった。> ハルと少年を見かけた松方幸次郎はハルも川崎造船所の女工だと思い込み、二人を馬車に乗りこませ、造船所まで一緒に連れて行くのです。 <「ほら。乗ってけ」そして本当に、コージの印半纏の袖を掴んで引き上げたのだ。呆気にとられて立ち止まったハルにも、「おまえも乗れ。女子をひっつかまえたとなると人聞きも悪いから、おまえがあげてやれ」と乗せたばかりのコージに命じる。> 神戸の歴史や地理に詳しい玉岡かおるさんならではの小説になっています。 因みに現在の松方邸跡(地図の赤線で囲ったところ)にいってみますと、名残はまったくありませんが、周辺の電柱の識別表示のプレートに「マツカタ」と記されています。 これは神戸市で明治時代にお屋敷に電線を敷設するため、電柱を建てたときの識別名が現在も残っているからです。
by seitar0
| 2023-09-18 13:09
| 玉岡かおる
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