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堀辰雄は昭和13年に刊行された小説『風立ちぬ』に、軽井沢の聖パウロカトリック教会を登場させました。引き続き昭和15年に発表したエッセイ『木の十字架』では、聖パウロカトリック教会を、当時愛読していたモーリアックの『焔の流れ』という小説の女主人公が住んでいたフランスのある古びた教会と重ね合わせるように、その情景を描いています。 冒頭は教会の管理人の話から始まり、続いて教会について次のように説明しています。 <その教会というのは、――信州軽井沢にある、聖パウロカトリック教会。いまから五年前(一九三五年)に、チェッコスロヴァキアの建築家アントニン・レイモンド氏が設計して建立したもの。簡素な木造の、何処か瑞西の寒村にでもありそうな、朴訥な美しさに富んだ、何ともいえず好い感じのする建物である。> ![]() <カトリック建築の様式というものを私はよく知らないけれども、その特色らしく、屋根などの線という線がそれぞれに鋭い角をなして天を目ざしている。それらが一つになっていかにもすっきりとした印象を建物全体に与えているのでもあろうか。> ![]()
当時の水車の写真が、「堀辰雄全集 新潮日本文学16」の解説に掲載されていました。 ![]() こちらが「夕日なんぞに赫いている木の十字架」です。 堀辰雄は散歩の途中、教会の前にしばらくたたずみ、モーリアックの小説のことなど考えていたようです。 <そんな村のあちこちを、道傍から雉子などを何度も飛び立たせながら、抜け道をしいしい、淋しいメェン・ストリィトまで出て、それからこんどは水車の道にはいると、私はいつもながいこと聖パウロ教会の前に佇んで、その美しい尖塔を眺め、見入り、そして自分の心の充たされてくるまでそれに愛撫せられていた。そういう時なんぞ、私は屡々、その頃愛読していたモオリアックの「焔の流れ」という小説の結末に出てくるそのかわいそうな女主人公の住んでいる、フランスの或る静かな村の古い教会のことなぞを胸に泛べたりしていた。> 現在はかなり開けていることがGoogleEarthを見るとよくわかります。 ![]() <私はひょっくり出先から戻ってきた其処のHさんという管理人と二こと三こと口を利き合い、そのまましばらく教会の側面の日あたりのいい石の上で、立ち話をしあっていた。丁度私達の傍らに立っている聖パウロの小さな、彩色した彫像は、彫刻の上手なレイモンド夫人がみずから制作したものだという事を私の教わったのも、そのときの事だった。> 昭和15年といえば、ナチス・ドイツがフランス侵攻を始めた年であり、翌年には太平洋戦争が勃発します。その影響による軽井沢の不穏な様子も描かれていました。 ![]() <その夏、軽井沢では、急に切迫しだしたように見える欧羅巴の危機のために、こんな山中に避暑に来ている外人たちの上にも何か只ならぬ気配が感ぜられ出していた。日曜日の弥撒に、ドイツ人もフランス人も、イタリイ人も、それからまたポオランド人、スペイン人などまで一しょくたに集まってくる、旧教の聖パウロ教会なんぞは、そんな勤行をしている間、その前をちょっと素通りしただけでも、冬なんぞの閑寂さとは打って変って、何か呼吸づまりそうなまでに緊張した思いのされる程だった。前年の夏あたりは、屡々、その教会の中から聖母を讃える甘美な男女の合唱が洩れてきて、それが通行人の足を思わず立ち止らせたりしたものだったが、今年の夏はどういうものか、低いオルガンの音のほかには、聖楽らしいものは何にも聞えて来ないのだった。> その頃、堀辰雄は友人たちに誘われて教会のミサに参列しています。 昭和15年、まだ創設者のレオ・ウォード神父はおられたのでしょうか。 レオ・ウォード神父(Leo Paul Ward )は戦争になってイギリスの戻りましたが、残念ながら1942年46歳の若さで昇天されています。
by seitar0
| 2022-08-15 10:57
| 堀辰雄
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