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竹中郁のエッセイ集『消えゆく幻燈』に小磯良平の「彼の休憩」の制作過程が詳しく述べられています。 場所は東京芸大から卒業制作のため戻っていた神戸市山本通一丁目の小磯邸です。 ![]()
関西学院での卒業年であった竹中郁も時間的な余裕があって、二か月の間、日曜を除く毎日小磯邸に通ったようです。 <半ズボンで膝小僧をむき出しだから、火鉢と電熱器とを両脇においてもらう。すると、いい気持ちで目がふさがる。顔以外は大たいそんな状態で仕上がっていったが、全くその画題の通り「彼の休息」はわたしの休息であった、私も関西学院英文科の卒業を控えて、かなり手すきな時間をもっていた。日曜以外をこうして二か月はつづけたように覚えている。> ![]() 毎日通ううちに、竹中郁は小磯画伯の義母ひでさんとよく話すようになったそうで、それまで官界か実業界の人たちしか出入りしなかった小磯邸へ、風態も気質もうかがい知れぬ連中が出入りしだしたのには、当惑気味であったろうと、回顧しています。 <「彼の休息」の画面にしたところで、なぜラグビイ選手の衣装を着せるのか、なぜビーチアムブレラや野外用ランプやマネの大型画集が散在させてあるのか。まれにその六帖間に入ってきて絵をみてつぶやかれた言葉のはしばしからでも、その心境がうかがえる。> 画に描かれている大きな日傘、ランプ、マネの大型画集、考えてみると小磯良平は何か意味を持たせているのかも知れませんが、竹中郁は次のように語ります。 <この青年たちの祝祭みたいな構図は、肖像画とはいうものの、やはり小磯とわたくしという男との、永年にわたる似たような志向や動静を組み上げたものとして眺めたい。> またこの時代、ラグビーも外国からの新しいスポーツとして今とは違った感覚があったのかも知れません。 ![]() 卒業制作として提出された「彼の休息」は、西洋画科出品作の中では第一席となりました。そして翌る年の昭和三年、小磯良平と竹中郁はヨーロッパへ旅立ったのです。 帰国後の昭和7年には、竹中郁の詩人としての地位を確立した第3詩集『象牙海岸』が刊行され、「ラグビイ」と題した詩が収められています。 ![]() 1 寄せてくる波と泡とその美しい反射と。 2 帽子の海。 3 Kick off! 開始だ 靴の裏には鋲がある。 4 水と空気とに溶けてゆくボールよ。楕円形よ。石鹸(サボン)の悲しみよ。 5 《あっ どこへ行きやがつた》 6 脚。ストッキングにつつまれた脚が工場を夢みてゐる。 7 仰ぎみる煙突が揃つて石炭を焚いてゐる。 8 俯向いてゐる青年。考へてゐる青年。額に汗を浮かべてゐる青年。叫んでいる青年。青年 青年。青年はあらゆる情熱の雨の中にゐる。喜ぶ青年。日の当たつてゐる青年。 9 美しい青年の歯。 10 心臓が動力する。心臓の午後三時。心臓は工場につらなつてゐる。飛んでゐるピストン。 11 昇る圧力計。 12 疲労する労働者。鼻孔運動。 13 タックル。横から大きな手だ。五本の指の間から、苔のやうな人間風景。 14 人間を人間にまで呼び戻すのは旗なのです。旗の振幅。《忘れてゐた世界が再び眼前に現れる。》三角なりの旗。悪の旗。 15 工場の気笛。白い蒸気。白い蒸気の噴出、花となる。 16 見えぬ脚に踏みつけられて、起きつづける草の感情。中に起きられない草。風、日に遠い風のふく地面。 17 ドリブル六秒。ころがるボール。雨となるベルトの廻転。 18 汗をふいて溜息する青年。歪んでゐる青年。《ボールは海が見たいのです。》 19 伸び上る青年。松の尖つた枝々。 20 密集(スクラム)! 機械の胎内。がつちりと喰ひ合つてゆく歯車。 21 ぐつたりとする青年。機械の中へ食はれてゆく青年。深い深い睡眠に落ちこむやうに。 22 何を蹴つてゐのだろう。胴から下ばかりの青年。(ああ僕は自分の首を蹴つてゐる。) 23 Try(トライ)! 24 旗、旗旗旗。 25 わつと放たれた労働者の流れが、工場の門から市中さして。夕闇のやうに黒い服で。 26 飛んでゆく新聞紙、空気に海月と浮いて………。 27 踏切がしまる。近東行急行列車が通りすぎる。全く夜。 28 落ちてゐる首。(どこかで見た青年だ。) 29 太鼓の擦り打ち、鈍く、鈍く。 30 雨だ、雨だ。 これはイギリスで見たラグビー風景でしょうか。ラグビーの運動間を見事に表したシネポエムです。
by seitar0
| 2022-01-05 10:00
| 竹中郁
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