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「負けんとき」は一柳満喜子とヴォーリズの物語ですが、著者の玉岡かおるさんはヴォーリズ建築だけでなく一柳満喜子の時代に始まった近代建築も詳しく調査されたようです。
第一章華族の娘では一柳満喜子が御茶ノ水の東京女子師範学校に通っていた時の話の中でニコライ堂が登場します。校門を出て夕焼けの美しい水道橋の上からのシーンです。 ![]() <この位置からは、満喜子が「独楽」と呼んでいる建物がよく見えた。それは駿河台の高台にあり、碗を伏せたような建物と、それに並んだ尖塔だ。どちらも鮮やかな青緑色の西洋瓦で覆われて、てっぺんには尖った十字架が繊細な線を描いている。天を突き刺すように伸びたその形は、ちょうど独楽を逆さにした姿を思わせた。「ニコライ堂よ」正教会の東京復活大聖堂。その塔の高さはあたりから抜きん出ており、皇居を見下ろすほどに高いがゆえに不敬であるとそしられたのもうなずけた。> 現在では高層ビルにより水道橋からはとても見えませんし、今やニコライ堂がそんなに高いとも思えませんが、Wikipediaで調べると、建設中途の1889年頃から尖塔が宮城を見下ろす形になり不敬であるとの言説が流布され、右翼による妨害もあったと書かれていました。![]() 現地の説明書きには頂上までの高さ三十五米と書かれています。 ![]() ![]() 小聖堂(亜使徒聖ニコライ記念聖堂)です。 次のような会話も交わされます。 ![]()
![]() ニコライ堂の原設計はロシア工科大学教授のミハイル・シチュールポフ博士によるもので実施設計は三菱とも関係が深く三菱一号館を設計したジョサイア・コンドル。 ![]() コンドルの設計による旧岩崎久弥茅町本邸の見学は、以前はあらかじめ葉書での申し込が必要でしたが、現在はいつでも見学可能になっており、東京街歩きのお勧めのスポットです。 ![]() ![]() ![]() コンドルは須賀敦子さんの祖父須賀豊次郎氏が始めた須賀商会とも関係があり、また次の機会に紹介したいと思っています。 最後に大阪の広岡家で暮すようになった満喜子がヴォーリズと初めて出会った祇園祭の夜の会話にもニコライ堂が出てくるのです。 ![]()
ここでも和の神と西洋の神のお話がでてきました。
by seitar0
| 2021-12-20 10:41
| 玉岡かおる
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