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村上春樹『海辺のカフカ』で主人公の15歳の田村カフカは家出を決心し、東京発の深夜バスに乗って四国の高松で降ります。夕方まで図書館で時間をつぶすことにしたカフカは、図書館で一人過ごす楽しみを語ります。 <小さいころから僕はいつも図書館の読書室で時間をつぶしていた。小さな子どもが家に戻りたくないと思ったとき、行ける場所はかぎられている。喫茶店にも入れないし映画館にも入れない。残された場所は図書館しかない。入場料はいらないし、子どもがひとりではいっても文句は言われない。椅子に座って好きなだけ本が読める。学校から帰ると僕は自転車で近所の区立図書館に行った。休みの日も多くの時間をそこでひとり過ごした。> 更に、「図書館は僕の第二の家のようなものだった」とも述べ、これは村上春樹の子ども時代のことを語っているのかもしれません。 ![]() <高松市の郊外に、旧家のお金持ちが自宅の書庫を改築してつくった私立図書館がある。珍しい蔵書もそろっているし、建物も庭も一見の価値があるということだった。その図書館を雑誌『太陽』の写真で見たことがある。古い大きな日本家屋で、応接室のような優雅な閲覧室があり、ゆったりとしたソファに座って人々が本を読んでいたその写真を見たとき、僕は不思議なほど強く心をひかれた。そしていつかもし機会があったらぜひこの図書館を訪ねてみようと思った。「甲村記念図書館」というのが図書館の名前だった。> これを読んでいると、雑誌『太陽』に出るくらいですから、日本家屋ではありませんが、村上春樹が中学時代通っていた芦屋市立図書館(現;打出分室)かもしれないとも思いました。 ![]() <雑誌の写真にあったとおりだ。天井が高く、広くゆったりとして、しかも温かみがある。開け放された窓からはときおりそよ風が入ってくる。白いカーテンが音もなくそよぐ。風にはやはり海岸の匂いがする。ソファのかけごこちは文句のつけようがない。部屋の隅には古いアップライト・ピアノがあり、まるで誰か親しい人の家に来たような気持ちになる。> これは村上春樹の理想の閲覧室を描いたのでしょう。だれでも行って見たくなります。 そして館内ツアーがあり、 <それから一同は階段で二階にあがる。階段部分は高い吹き抜けになっている。黒檀の手すりは触れただけで指のあとがついてしまいそうなくらい艶やかに磨きこまれている。踊り場の正面の窓にはステンドグラスがはめこまれている。鹿が首を伸ばしてブドウを食べている図柄だ。> ![]() 昭和3年に辰馬吉左衛門の浄財寄付により建てられた西宮市立図書館。三十年史には次のように書かれています。 <美しく広々とした芝生の前庭、巨松の連なりに囲まれ、満々と水をたたえた池まで添えられて、静寂でしかも至便な、市の中心部の住まい環境に建てられ、しかも、教会堂のようなステンド・グラスの窓を持つこのスパニッシュ・コロニアル様式の典雅華麗な営造物は、たしかに市の一つの美しいアクセサリーであったとともに、いわゆる「阪神間の書斎」として市内外の人士に大きい文化の香りと彩をもたらした。> 『海辺のカフカ』に登場するステンド・グラスは鹿は描かれていませんが、西宮市立図書館のものが、村上春樹の頭の中にあったのでしょう。 ![]() こちらは、建設当初のステンドグラスのある閲覧室。 ![]() 何となく、ヴォーリズ設計の神戸女学院の図書館を思い出しますが、設計は阪神間モダニズムを代表する設計者の一人、古塚正治氏でした。
by seitar0
| 2021-08-27 13:37
| 村上春樹
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