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今月の芦屋での読書会の課題図書は、末盛千枝子さんの自伝エッセイ『「私」を受け容れて生きる』でした。 ![]() カバーは安野光雅氏、挿絵は実父で彫刻家の船越保武氏の作品です。 上皇后さまの『橋をかける』を手掛けた名編集者、末森千枝子さんは慶應義塾大学卒業後、絵本の出版社である至光社で働かれ、この頃上皇后美智子様と出会われたそうです。 ![]() G.C.PRESSで最初に出版した本のうちの一冊『あさ One morning』が1986年にボローニャ国際児童図書展グランプリを受賞。2002年から2006年まで、国際児童図書評議会(IBBY)の国際理事を務め、2014年には名誉会員にも選ばれています。 『「私」を受け容れて生きる』の「IBBYと私」と題した章では、1998年のIBBY(国際児童図書評議会)ニューデリー世界大会での皇后さまに基調講演を頼まれた時の様子が述べられていました。 私がこの基調講演について知ったのは、須賀敦子さんが『遠い朝の本たち』で紹介されていた「日本少国民文庫 世界名作選」からでした。 ![]() http://nishinomiya.areablog.jp/blog/1000061501/p10790849c.html 山本有三編『世界名作文庫』は上皇后さまの基調講演がきっかけとなって復刻版が出版されることになったのです。 ニューデリー世界大会には、上皇后さまは公務の都合で出席されず、結局ビデオでなされたのですが、その理由にも触れられていました。 <一九九八年のIBBYニューデリー世界大会にて皇后さまに基調講演をお願いしたいというインド支部の四年にわたる熱心な申し出に、どうにか皇后さまのまわりの情況も応えられそうになった矢先、インドで核実験をするということがあった。私は新聞の一面に特大の活字でそのニュースが報道された朝のことが忘れられない。ああ、これで、皇后さまのインド行きはなくなってしまったと、とっさに思った。そして、案の定、皇后さまに行っていただくわけにはいかないという政府の決定がなされた。> でもこのお陰で、基調講演がビデオによる講演で会場で放映されることになり、現在でも原文を宮内庁ホームページで読むことができますし、 http://www.kunaicho.go.jp/okotoba/01/ibby/koen-h10sk-newdelhi.html ご講演ビデオも、YOUTUBEで見ることができ、皇后さまの素晴らしいQueen’s Englishを聞くことができます。 https://www.youtube.com/watch?v=rUAJinl6Di8&list=PL9RJMmiHpfQSt6vX6qRzCZ7Ya7tZTOOhF ![]() また『橋をかける』には上皇后さまの子供時代の読書の思い出として、基調講演も収められれています。(装丁は安野光雅氏) ![]() さらにご講演で引用された新見南吉の『でんでんむしのかなしみ』について、収録を担当するディレクターから、皇后さまがお小さいときはまだ出版されていなかったとの連絡を受け、頭の中が真っ白になるようだったと述べられ、それを上皇后さまに伝えた結果、上皇后さまはすぐに陛下にご相談されます。 <陛下は、「その本が出版された時期と、実際に新見南吉が書いた時期とは違うかもしれないから、まずそれを調べてはどうか」と沈着にアドバイスされたとのことだ。そして、新見南吉が書いた時期は、皇后さまがそのお話を聞かれた時期と齟齬がないということが確認された。ほっとして、同時になんと良いご夫婦なのだとうかと思った。> このようなエピソードまであたっととは、初めて知りましたが、本当になんて良い夫婦なんでしょう。
by seitar0
| 2021-01-26 13:34
| 芦屋
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