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湊かなえさんの『絶唱』は、「楽園」(初出;「小説新潮」2010年5月号)「約束」(初出;「小説新潮」2011年5月号「大陽」(初出;「小説新潮」2012年5月号)「絶唱」(初出;「小説新潮」2014年5月号)の四つの連作短編集です。 いずれも、阪神淡路大震災を体験した登場人物がトンガという楽園で様々な人と出会い、心の傷を癒し、再生するという物語。 帯には、 ![]() 心を取り戻すために、約束を果たすために、逃げ出すために。「死」に打ちのめされた彼女たちが秘密をかかえたまま辿りついた場所は、太平洋に浮かぶ島―。 今も思い出す。あの太陽を。あの家を。あの人を。かけがえのない、あの日々を。> 湊さんは震災後15年経って、ようやくその悲しい体験をもとにした小説を書くことができるようになったのでしょう。そして、最後の文章にあるように、青年海外協力隊員としてトンガで2年間暮らしたことが、湊さんの心を癒してくれたのでしょう。小説に登場するトンガの人々には、それぞれモデルがいるようです。 ![]() 2014年に「小説新潮」に発表された最終章『絶唱』は、震災後19年を経て、遂にご本人がカミングアウトして、武庫川女子大時代の震災体験を綴った私小説のように感じられました。 ![]() 『絶唱』からです。 <阪神淡路大震災が起きたのは1995年の1月17日。当時わたしは兵庫県西宮市にある大学の四年生。部屋の窓から武庫川の河川敷を望むことができる、古いアパートの一階の部屋に住んでいました。大学では家政学部被服学科に所属し、世間では、バブルがはじけ就職氷河期を迎えたと言われていましたが、運よく関西地区をメインに展開する丸福デパートに内定を得ることができました。> 西宮市の大学とは、湊かなえさんが卒業された武庫川女子大。 ![]() 武庫川沿いのアパートで被災した主人公・土居千春は震災の翌日、早くも阪神電車の甲子園~梅田間が復旧したことから、大阪の知人を頼って避難します。 しかし、ミュージカル同好会で知り合い親友となった立花静香は、阪神西宮駅近くのワンルームマンションで被災し亡くなっていたのです。後に同じ同好会のもう一人の親友、増田泰代から静香の死を知らされ、探しに来なかったことを責められます。 <「じゃあ、なんであんな大変なことになっているのに、助けに来てくれなかったの?なんでわたしたちを置いて、自分だけ安全なところに避難できたの?わたし、揺れが収まったあと、すぐに静香のところに行ったよ」それは家が近いから。喉元まで出かかり、飲み込みました。距離ではない。人間性の問題だ。> 千春は被害の大きかった地域と小さかった地域の境界線上にいたのです。 実際に湊さんの住んでいた場所も武庫川の近く、所属していたユースサイクリング同好会の友人も亡くなるという体験をされています。 『絶唱』からです。 <わたしは出身大学を訊かれるのが嫌いです。わたしが兵庫県の大学に通っていたことを知ると、逆算して、震災のときはどこにいたのかと十中八九訊かれるからです。西宮市にいたけれど、翌日には電車が復旧したようなところなので、無事に避難できました。これ以上のことは絶対に口にしませんでした。> しかし、そのような主人公千春が小説家となり、震災のことを書くきっかけとなったのは、トンガでお世話になった尚美さんのトンガからの5年前のメールでした。 ![]()
このような形で終わる最終章、どこまでが創作で、どこまでが実体験だったのでしょう。 特に最終章『絶唱』はミステリー要素はなく、私小説的な小説でしたが、心を打つ作品でした。
by seitar0
| 2020-08-18 16:44
| 武庫川
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