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(河出書房新社『細雪』 小倉遊亀の挿絵) 幸子が帯を締めている最中に、雪子が以前のピアノの会で、その帯がキュウキュウと鳴っていたと言いだし、他の帯に締めなおすのですが、それでも鳴りやまず、幸子のお腹のあたりが鳴る度に三人が引っくり覆って笑ったという場面です。 <「中姉ちゃん、その帯締めて行くのん」と、姉のうしろで妙子が帯を結んでやっているのを見ると、雪子は云った。「その帯、―――あれ、いつやったか、この前ピアノの会の時にも締めて行ったやろ」「ふん、締めて行った」「あの時隣に腰掛けてたら、中姉ちゃんが息するとその袋帯がお腹のところでキュウ、キュウ、云うて鳴るねんが」「そやったか知らん」「それが、微かな音やねんけど、キュウ、キュウ、云うて、息する度に耳について難儀したことがあるねんわ、そんで、その帯、音楽会にはあかん思うたわ」> ![]() 1959年版の映画でもその場面が再現されており、キュウキュウという音まで聞こえてきます。 <「―――この帯もあかん」「何でやねん」「何でて、よう聞いてて御覧。―――ほれ、これかてキュウ、キュウ云うてるがな」そう云って幸子は、わざと呼吸をして帯のお腹なかに当るところを鳴らしてみせた。「ほんに、云うてるわ」> ![]() <「そんでどうや、中姉ちゃん、息して御覧」「ふん、ほんに、―――」妙子に云われて、幸子は頻りに息をしてみながら、「ほんに、これやったらどないもあらへん。―――何でやねん、こいさん」「帯が新しいよってにキュウキュウ云うねんが。この帯やったら、古うなって、地がくたびれてるよってに音せえへんねん」> この名場面とそっくりな様子が夙川の須賀邸でも繰り広げられていました。 ![]() <たたみの上に波うって部屋いっぱいにひろがる色の洪水、姿見のまえで、あの帯にしようか、こっちのほうがいいかと、はてしなく続く色あわせ模様あわせ。そんな姉妹たちのそばで、つぎの帯を両手にもって、辛抱づよく待っている女中。 夙川の家での母たちの外出は、いつもそんな大騒ぎのなかで準備された。「細雪」が書店に出はじめたころ、母と、これも戦争で婚期のおくれていた叔母が、息をするたびに帯がキュウキュウ音をたてるという箇所を読みあっては、「谷崎さん男やのに、よう、こんなこと気ぃついたわねえ」と、うれしそうに話しながら感嘆していたのを、なつかしく思い出す。半世紀ちかくまえのことである。> 須賀家の家族の日常生活が、谷崎家と似ていることが、須賀家でしばしば話題となっていたそうで、須賀さんの『細雪』の書評そのものだったそうです。 さしずめ、須賀敦子さんの役回りは悦子でしょうか。 実家は夙川にあり、震災後の水彩画がありました。 ![]() ここでそのような光景が繰り広げられていたのです、 <いよいよ結婚のきまった、いちばんうえの叔母が、新しい姓をなんども筆で練習していた二階の部屋のおなじ文机のうえに、ある日、谷崎の「盲目物語」を見つけて、こんなうつくし本があるのかと、息をのんだのがつい昨日のように思い出される。> 須賀家の皆様、谷崎潤一郎ファンだったようです。
by seitar0
| 2020-05-23 16:02
| 谷崎潤一郎
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