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森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』は、京都大学を舞台に同じサークルに所属する黒髪のを乙女とその先輩の恋物語。アニメ映画にもなった人気作です。 ![]() <古本市をさまよっている彼女は一冊の本を見つけ、意気込んで手を伸ばす。そこへ伸びてくるもう一つの手。彼女が顔を上げると。そこに立っているのは私だ。私は紳士的にその本を彼女に譲ってあげるにやぶさかでない。彼女は礼儀正しくお礼をのべるだろう。すかさず私は優雅な微笑で応え、「いかがですか。そこの売店で冷やしたラムネでも飲みませんか」と誘うのである。> ![]() この絵本、日本語版は1975年に岩波書店から刊行されています。森見登美彦は1979年生まれですから、本当に幼いころの思い出の絵本だったのかもしれません。 『夜は短し歩けよ乙女』を読むと、とても素晴らしい絵本のようなので、私も読んでみました。 ![]() 工場長が機関車をマチアスから取り上げて、自分の自慢の庭園に飾ってしまいます。 工場長とケンカしたマチアスは、優しい人たちのいるところへと、ふしぎな空飛ぶ自転車で街を出て行きます。 ![]() 小さな白い機関車は、マチアスを追いかけて探す不思議な旅に出ます。 ![]() ラ・タ・タ・タムはそんなかわいい小さな機関車の走る音。ガタン・ゴトンがドイツ人にはRa ta ta tamと聞こえるようです。 機関車はようやく雪深い山の上の村でマチアスを発見し、いつまでもマチアスとそのなかまたちを乗せて山道を走るのでした。ラタタタム、ラタタタム、タタム!と。 ビネッテ・シュレーダーの幻想的で美しい絵が印象的です。 さて、『夜は短し歩けよ乙女』に戻りましょう。 夕闇が迫り、すっかり終わりの気配が漂う古本市で、黒髪の乙女は遂にその絵本を見つけます。 <私が夢中で手を伸ばした時、横合いから誰かの手が伸びてきました。見上げると、手を伸ばしていたのはクラブの先輩でした。先輩は私の顔を見て、心底驚いた様子で、百面相のような面白い顔をしました。何か言おうとして口をぱくぱくするのですが、何もできません。> 先輩が思い描いていたようにスマートな結末にはならなかったのですが、黒髪の乙女の気を惹く効果は計画通り達成したようです。 しかもこの古本、黒髪の乙女が幼いころ名前を書き込みながら手放してしまった絵本そのものであることが判明するのです。 <私はついに手に入れた「ラ・タ・タ・タム」を開き、表紙の裏にある字を見つけ、しばし唖然とし、やがて二足歩行ロボットの真似をして踊りました。私は目尻を拭いました。「ラ・タ・タ・タム」には、下手な字で自分の名前が書いてあったからです。> 古本市の神様のおかげだったのでしょうか。
by seitar0
| 2019-12-20 11:36
| 森見登美彦
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