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西宮は中世から漁業が発達し、『摂津名所図会』にも御前浜のタイ釣りが描かれています。 ![]() イワシ漁は江戸時代から盛んに行われていましたが、元々は下魚で、肥料として干鰯の生産のために盛んになったのです。 戦後しばらくまでは、阪神間の浜では地引網によるイワシ漁が盛んで、種類は違いますが、私も幼い時に西宮の浜でカタクチイワシが広げられ、「宮じゃこ」として天日干しされていた光景がかすかに記憶に残っています。 ![]() <阪神電車の沿線にある町々、西宮、芦屋、魚崎、住吉あたりでは、地元の浜で獲れる鯵や鰯を、「鯵の取れ取れ」「鰯の取れ取れ」と呼びながら大概毎日売りに来る。「取れ取れ」とは「取りたて」と云ふ義で、値段は一杯十銭から十五銭ぐらゐ、それで三四人の家族のお数になるところから、よく売れると見えて一日に何人も来ることがある。> とし、二杯酢にした小鯵を、猫にまるで曲芸を教え込むように食べさせる様子が生きいきと描かれています。 ![]() 偉大な作詞家・岩谷時子さんも、大正から昭和の初めに西宮に住んでおられ、その頃の鰯売りについて次のように述べています。『愛と哀しみのルフラン』の「美味しさとは」と題したエッセイからです。
更に昭和の初めの頃の様子がよくわかるのが、大正12年の関東大震災で西宮に移って来られた、森田たまさんが書かれた随筆集『ふるさとの味』の「美味東西」です。 ![]() <とれとれのいわッしゃァという威勢のいい聲を家の中でききつけて、それっとばかり門口へ駆け出してみてももうまにあわない。聲の主は既に一町も先を自転車で走っているので、それを捕まえるためにはこちらもやはり自転車にでも乗らなくては追いつけないが、しかしそれまで苦労はせずとも十分か二十分待てば必ず第二、第三の振売が、おなじようにとれとれのいわッしゃァと売ってくるので、こちらもその間に鍋を用意し、女中を門口に起たせて待っている。> 岩谷時子さんの子供時代は、鰯売りは天秤棒で担いでいたそうですが、森田たまさんの記憶は自転車になっていますから、すこし年月がたってからのことでしょう。 また昭和の初め、西宮の街角に「とれとれのいわッしゃァ」という声が鳴り響いていたことがよくわかります。そして当時のお金で十銭も買えば、銀鱗のぴちぴち光る小魚がお鍋に一杯になったそうです。 ![]() <手早くわたをぬき、お酒とお醤油と等分に煮たてて生姜を刻み込んだ中へ入れて煮あげるのだけれど、お酒は一升わずか一円の、価格はやすくとも結構晩酌の用にも足りるほどの灘もので、この鰯の生姜煮のうまさはたべたことのない人にはいくら説明してもわかってはもらえない。うちでは阪神西宮に住んでいたころ……> 西宮から東京へ移られてからも、一層思い出すことが多かったと述べられています。 <あんなおいしい食べ物は何処にもない、それを第一やすくってと東京の友達ににも披露して、いずれそのうちご案内しますと約束したけれど、その為わざわざ阪神へ行って家を持つとすれば、やすいのが値打ちの生姜煮がとんでもない高いものについてしまうとこの頃やっと気がついた。> 高くてうまい食べ物ならどこにいても手に入るけれど、やすくておいしいものはその土地に住んでいるあいだだけのことであると懐かしまれています。 この美味しさは、きっと取れ取れ鰯の新鮮さにあったのでしょう。
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by seitar0
| 2019-10-19 22:20
| 谷崎潤一郎
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